トップメッセージ
1930年の創業時より、当社は「世の中に必要な人間となれ、世の中に必要なものこそ栄える」という企業理念のもと、くらしや産業にエネルギー、産業ガス、マテリアルなど幅広い商品やサービスをお届けしています。その根底には、これからの世の中が必要とする新しい価値を創造することで、社会に貢献したいという思いがあり、それが事業推進の大きな原動力になっています。
当社は1941年から水素を究極のクリーンエネルギーとして捉え、水素エネルギーの普及に向けた歩みを進めてまいりました。創業40周年を迎えた1970年に発表した「住みよい地球がイワタニの願いです」をスローガンに、水素の利活用を通じてCO2フリー社会を実現することで、環境問題という社会課題の解決を目指すとともに、SDGsの達成にも貢献してまいります。
水素エネルギー社会の実現に向けては、2020年12月に設立された「水素バリューチェーン推進協議会」では共同代表の一員として、また、世界のエネルギー関連企業が中心となって発足した「Hydrogen Council (水素協議会)」の主要会員として、当社はグローバル規模で水素利用促進に向けた活動を行っています。
水素の新たな需要創出については、燃料電池自動車(FCV)の普及に向けて日本国内および米国で水素ステーションの整備を進めています。今後は、トラックやバスなどの燃料電池商用車向け水素ステーションの整備や、セルフ化の推進など運営コストの削減に注力してまいります。
また、工場の脱炭素化や、電車や船舶など水素を利用する大型モビリティの実用化に対応した燃料供給など、お客さまの脱炭素化ニーズに応える新たな水素需要を獲得してまいります。
CO2フリー水素の確保に向けては、豪州の電力会社や鉄鉱石生産会社とともにグリーン液化水素製造の事業化を検討しています。特に、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業に採択された「液化水素サプライチェーンの商用化実証」においては、年間数万トンの大規模な水素の液化・輸送技術を世界に先駆けて確立し、水素の製造・液化・出荷・海上輸送・受入までの一貫した国際間の大規模液化水素サプライチェーンの実証を行います。
国内では再生可能エネルギーによる発電でグリーン水素を製造する「福島新エネ社会構想」への参画をはじめ、廃プラスチックからの水素製造への取り組みを開始するなど、多角的な実用化検討を行っています。
一方、当社の主力であるLPガス事業は全国330万世帯以上の顧客がその事業基盤になっています。安定供給、お困りごとの解決、保安、地域貢献、環境などさまざまな側面からお客さまのくらしをサポートしています。また、LPガスに水素を混合することによる低炭素化やプロパネーションの実現(グリーンLPガスの合成)に向けた研究など、LPガスの脱炭素化にも積極的に取り組み、お客さま・地域から選ばれる「エネルギー生活総合サービス事業者」へと進化してまいります。
来るべき100周年、そしてその先への飛躍に向けて、これからも全てのお客さま、株主・投資家の皆さま、お取引先、地域の方々、そして社員に新たな価値を提供し続け、“進化する総合エネルギー企業”として持続的な成長を目指してまいります。
代表取締役会長 兼 CEO
代表取締役 社長執行役員