低・脱炭素ソリューションの取り組み
2022/7/21
空調の省エネ(GHP・吸収式冷凍機・EHP)
夏場の電気使用量を抑制するためには、空調の見直しが最適です。空調の利用は、夏がピークであるため、多くの企業やご家庭で夏の電気使用量が一番多くなっています。そのため、電気使用量を抑制するために、暑い日でも空調の利用を控えたり、空調温度を抑制したりしているケースも多いのではないでしょうか。
イワタニでは、そのような工場や業務用施設のお客様に対して、電気空調(EHP:電気ヒートポンプ)からガス空調(GHP:ガスヒートポンプ)や吸収式冷凍機に切り替えることを提案しています。GHPはガスでコンプレッサを駆動するため、消費電力を1/10に低減することができ、高効率の機種では、EHPに比べて冷房時の消費電力が約1/100となります。そのため、夏場のデマンドを大幅にカットすることができ、電力基本料金の低減や電気設備容量の軽減が可能となります。

また、電源自立型のGHP(停電時に発電する機種は「ハイパワープラス」「エクセルプラス」シリーズ)では、停電時にバッテリー電源で運転を開始し、空調や照明などの継続使用が可能です。そのため、災害対策としてGHPを導入する福祉施設や学校、業務用施設が増えてきています。LPガスは大規模な災害においても、供給が途絶しにくい特長があるので、電源自立型のGHPと相性も良く、都市ガスエリアのお客様でもLPガスを選択されるケースもあります。
当社は、お客様の使用条件やニーズに基づき、ガス空調の提案はもちろん、既存の冷媒配管を活用した切り替えやEHPとガス空調の組み合わせ、全体空調の見直しなど、お客様に最適な空調の省エネ提案を行っています。また、空調だけではなく、LPガス設備やLPガスの供給、メンテナンスまでワンストップで対応が可能です。

空調の省エネの特長
- ・EHPからGHPへの切り替えで、空調の消費電力を1/10(高効率機種は1/100)まで低減が可能
- ・GHPには停電時に自立運転ができる機種があり、停電時にも空調利用が可能
- ・空調の高効率機種の導入は省エネにつながるため、補助金の取得が可能
- ※ご使用条件により省エネ効果が得られないことや補助金が取得できない場合がございます。詳しい詳細やご質問はお問い合わせください。
岩谷産業の強み
- ・既存の冷媒配管を活用した切り替えやEHPとガス空調の組み合わせ、全体空調の見直し、高効率機種の提案など、お客様に最適な空調の省エネ提案が可能
- ・省エネ提案から空調・ガス設備の施工、メンテナンス、ガス供給までワンストップ対応
- ・お客様のニーズに合った機種の選定や補助金のご紹介が可能
事例紹介:社会福祉法人 和泉の国 エルダーケア様
昨年12月放送 テレビ東京 カンブリア宮殿「カセットこんろの王者が挑む新時代エネルギー革命!」でもご紹介された、「社会福祉法人 和泉の国 エルダーケア」様の事例を紹介します。大阪府泉佐野市で介護老人福祉施設などを運営しているエルダーケア様では、災害対策の一環としてLPガス空調(GHP)とLPガス非常用発電機、LPガスバルク貯槽を2021年に導入されました。
きっかけは、2018年台風21号での停電
2018年台風21号でエルダーケア様がある泉佐野市は、甚大な被害を受け、大規模停電が発生しました。軽油式非常用発電機を用意することができ、廊下に投光器を設置して照明の確保はできたのですが、貯水槽に汲み上げるポンプが停止し、水が使えなくなってしまったり、エレベーターの停止により利用者の上り下りをスタッフの手でおこなったりと非常に大変な思いをされました。
幸い、季節的に冷房も暖房も必要のない時期であったため、空調を利用することはなかったですが、この停電をきっかけとして、災害時における電源の確保に向けた検討を開始されました。その時にちょうど、当社で非常用発電機のセミナーを開催しており、エルダーケア様にご参加いただいたことがきっかけで非常用発電機とGHPの提案を開始しました。
災害対策として、LPガスを選択
非常用発電機の燃料には、軽油焚きと都市ガス焚き、LPガス焚きの3つがあります。エルダーケア様のエリアは、都市ガスの供給が可能なエリアであったため、「軽油」「都市ガス」「LPガス」のいづれも選択することが可能でした。その中で、「二酸化炭素の排出が少ない」「災害時に供給が安定している」「燃料を一定程度備蓄ができる」ことなどを評価いただき、LPガスを選択していただきました。また、LPガスバルクタンクとLPガス非常用発電機やGHPを導入することで、補助金の取得対象となりました。補助金の申請・採択を受け、最終的には設備費・工事費の1/2の補助金が交付され、イニシャルコストの負担を低減することができました。
共用部をGHPにすることで停電対策
エルダーケア様では、実際に停電が起こった際には、入居者の方々にはできるだけ共用スペースに集まっていただくことを想定されています。そのため、エレベーターや食事を提供するための厨房、スタッフルーム、廊下のコンセント、共用部の空調を稼働させられるための非常用発電機の容量選定を行いました。共用部の空調をGHPにすることで、空調での消費電力を大幅に削減し、夏場や冬場での停電でも共有部での空調が稼働することができ、また、夏場の電気のピークカットにより、電気料金の削減にも繋がりました。
GHPや非常用発電機の導入による停電対策をすることで、施設長からは「入居者やご家族の方々にもご安心してご利用いただけることはもちろん、働く従業員にも安心して働ける環境を提供できるようになりました。」との嬉しいコメントをいただきました。
設備仕様
更新前設備 | LPガスバルク貯槽1t×1基、EHP(共用部、個室)、軽油式非常用発電機 |
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更新後設備 | LPガスバルク貯槽2.9t×1基、GHP164馬力、EHP(個室)、LPガス非常用発電機54kVA×1台 |
電気使用量削減率 | 30%(6月分の前年比較、施設全体の電気使用量) |
適用補助金 | 災害時に備えた社会的インフラへの自衛的な燃料備蓄の推進事業費補助金 |



社会福祉法人 和泉の国 エルダーケア様のご紹介
住所:大阪府泉佐野市中庄1310番
エルダーケア様は、大阪府泉佐野市で2005年に設立された社会福祉法人であり、現在、ケアプランセンター・介護老人保健施設・特別養護老人ホームの3つの施設を運営されています。「わたしたちの先輩である高齢者の方々が自然の中で楽しく暮らしていけるよう支援し、自立した生活を目指します」を施設理念に、その支援を通じて、働く従業員の方々もイキイキとして働かれています。また、花見や納涼祭といった地域交流イベントの開催など、地域に根ざした施設となる取り組みも行っており、さらには、災害時の避難所として利用する協定を泉佐野市と締結し、災害時には地域住民の避難所の役割も担っています。詳しくは、エルダーケア様のホームページ(http://www.eldercare.or.jp)をご参照ください。

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