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| A. |
水素は古くからその存在を知られていましたが、1776年、イギリスの化学者キャベンディッシュにより物質として確認されました。その後、1783年にはフランスの化学者ラボアジェが、赤熱した鉄の上に水蒸気を通すと水が分解されて気体が発生することを発見し、ギリシャ語の水を作るもの(Hydr=水、Genna作る)から、この気体は「Hydrogen=水素」と命名されました。
水素の原子番号は1番。すべての元素の中で最も単純な構造をしています。水素以外の原子の原子核は陽子と中性子などで構成されていますが、水素には原子核に陽子が1個だけ、また、原子の外側をまわっている電子も1個だけです。なお、水素には質量数1の普通の水素のほかに質量数2および3の重い同位体の存在が知られており、質量数2の同位体は重水素(ジューテリウム)と呼ばれ、放射能はなく天然に存在し、普通の水素の約1/5000を占めています。質量数3の同位体は、三重水素(トリチウム)といい、原子核の破壊によって人工的に作られ、放射能を持っています。 |
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| 大気の高層200km以上では、そのほとんどが水素で占められているといわれ、ほかに天体や太陽、恒星の大気中にも見い出されています。地球上での水素は大部分が化合物の状態で存在し、水、酸類、有機物を構成する重要な元素です。 |
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| A. |
あらゆる元素のなかで最も単純な構造をもつ物質である水素は、常温において無色・無味・無臭の気体です。ガスの中でも一番軽く、宇宙空間をどんどん上昇していってしまうため、単体としては地球上の自然界には存在しません。また、拡散性・還元性に優れ、有機化合物の不飽和結合部分に浸透して飽和させる性質を持っています。さらに、水素は水の電気分解によって得られるため無尽蔵に近く存在し、単位重量あたりの発熱量はガソリンの約2.7倍と大きく、なおかつ燃焼しても二酸化炭素や大気汚染物質を全く排出せずに空気中の酸素と反応して水に戻るという、究極のクリーンエネルギーです。 |
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| ●水素物性表(当社「水素」カタログより) |
| 分子式 |
H2 |
総発熱量(0℃、1atm) |
12,790 kJ/m3 |
| 分子量 |
2.0158 |
真発熱量(0℃、1atm) |
10,780 kJ/m3 |
| 比重(空気=1 |
0.0695 |
発火点(空気中) |
527 ℃ |
ガス密度
(21 ℃、1 atm) |
0.0835 kg/m3 |
発火点(酸素中) |
450 ℃ |
| 沸点(1atm) |
-252.9 ℃ |
爆発範囲(空気中) |
4.0~75.0 vol% |
| 融点(1atm) |
-259.1 ℃ |
爆発範囲(酸素中) |
4.65~93.9 vol% |
| 臨界温度 |
-239.9 ℃ |
最小着火エネルギー |
0.02 mJ ※1 |
| 臨界圧力 |
12.8 atm |
火炎温度
(31.6 % H2/Air) |
2,045 ℃ |
| 液密度(沸点) |
0.0708 kg/ |
火炎温度
(78% H2/O2) |
2,660 ℃ |
| 蒸発潜熱(沸点) |
446 kJ/kg |
燃焼速度
(1atm、 70%H2) |
90 m/s |
| 融解潜熱(融点) |
58.2 kJ/kg |
燃焼速度
(1atm、爆鳴気※2) |
1,400~3,500 m/s |
| 定圧比熱(0~200℃) |
14.18 kJ/kg・K |
炎色 |
無色 |
| 定積比熱(0~200℃) |
10.07 kJ/kg・K |
色・味・におい |
無色・無味・無臭 |
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| ※1 |
mJ・・・ミリジュール。熱量の単位
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| ※2 |
酸素:水=1:2の混合物は最も爆発力が強く、爆鳴気と呼ばれる
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| A. |
ドイツの飛行船「ヒンデンブルグ号」の爆発炎上事故や水素爆弾などのイメージから、怖いガスと考えられがちな水素。保安の視点からみた場合、分子量が小さく(=軽く)ガス密度が最小のため最大の漏れやすさをもつ、爆発範囲が非常に広い、着火エネルギーが極めて小さく火炎は無色で着火しても見えにくい、という点は問題になります。しかし、実際の燃焼範囲は空気中に体積で4~75%含まれている場合で、それ以上濃度が高くても低くても着火しません。また、発火点は527℃とガソリンの500℃よりも高く、自然発火しにくいガスといえます。万一、屋外で容器から漏れたとしても軽いガスであるため、ただちに空気中に拡散してしまい開放空間での爆発はほとんどありません。
いずれにしても、ほかの燃焼系のガスと同様、取り扱いを間違えない限り危険度は高くありません。水素自体は人体に無害、燃焼の排気も水蒸気と少量の窒素酸化物のみで中毒の恐れも皆無です。
ちなみに、「ヒンデンブルグ号」の事故は、近年の研究で、出火原因が船体の外皮の塗料にあったことが解明されています。酸化鉄と粉末アルミニウムをまぜた特殊な塗料でしたが、成分が大変燃えやすく、外皮にたまった静電気のスパーク(火花)で簡単に火災を起こし、炎上したことが原因で、水素漏れによるものではないことがわかっています。
また、水素爆弾も重水素と三重水素の核融合反応を原理とするもので、水素の爆発を原理としたものではありません。
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| A. |
水素の供給設備に関しては、高圧ガス保安法に基準が設けられています。それに基づき、設備の内容によって次のように分類されます。
設備に関しては、関係官庁(都道府県知事)の許可、届出が必要となります。
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| 法 律 |
省 令 |
省令補完基準等 |
| 高圧ガス保安法 |
一般高圧ガス保安規則 |
同左関係基準 |
| 容器保安規則 |
例 示 基 準 |
| 特定設備検査規則 |
例 示 基 準 |
| コンビナート等保安規則 |
同左関係基準 |
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