水素の用途
燃料電池自動車(FCV)、FCバス、発電などエネルギーとして注目が高まっている水素ですが、もともと水素はさまざまな産業分野で活躍しています。石油コンビナートでは原油から硫黄分を取り除く工程で、石油化学分野ではプラスチックなどの樹脂生成の添加剤として、製鉄所ではステンレス鋼などの表面に光沢を出す光輝焼鈍用の添加剤として水素が大量に使用されています。
半導体ウエハ、太陽電池シリコン、液晶・プラズマディスプレイ、光ファイバーなどの製造には、還元用の雰囲気ガスやキャリアガスとして、高純度の水素が不可欠です。
また、宇宙ロケットは水素を燃料として使用しています。国産のH-ⅡA、H-ⅡBロケットは、液化水素と液化酸素の混合燃料を搭載し、爆発的な反応を推進力に変えて、大気圏外へ飛び出していきます。
水素の多くは自家製造・自家消費されており、国内で販売されている水素は年間約1.5億m3ですが、自家消費分を合算した日本の水素市場は150億m3程度になるといわれています。
産業分野
エレクトロニクス
- 半導体
- シリコン製造
- 太陽電池
- LED
- ファインセラミックス
- IC、LSI、トランジスタ
化学
- 油脂硬化(マーガリン、化粧品など)
- 有機化合物
- 高純度アルゴン
- 石油精製
- アンモニア
- メタノール、塩酸
ガラス
- フロートガラス
- 石英ガラス
- 光ファイバー
- ランプ
- 人工宝石
金属
- 金属熱処理
- 金属鉄粉(磁性鉄粉など)
- 非鉄金属(タングステン、モリブデンなど)
- ろう付け、溶融、溶接、切断
電力
- 発電機
- 原子炉
- 燃料電池
宇宙開発
- ロケット燃料
- 人工衛星部品
その他
- 分析、試験、標準ガス
- 気球(気象観測用)
- 超電導
エネルギー分野
燃料電池自動車(FCV)
水素エンジン自動車
FCバス
FCフォークリフト
FCトラック
水素燃料電池船
列車、飛行機
発電
家庭用燃料電池
水素エネルギーハンドブック
水素の物性、用途、製造方法のほか、水素エネルギー社会の実現に向けた国内外での取り組みや、80年以上にわたる当社の水素事業の歴史などについてまとめた冊子です。