イワタニレポート

低・脱炭素ソリューションの取り組み

2023/3/9

太陽光発電・燃料電池

今回のイワタニレポートでは、カーボンニュートラルの実現に向けて重要な役割を担うと想定される、太陽光発電と燃料電池について紹介をします。

太陽の光エネルギーで発電する太陽光発電は、CO2排出量が非常に少ないのが特長。低コスト化や高効率化が進んでおり、日本で最も普及している再生可能エネルギーといわれています。
日本に太陽光発電が急速に普及したのは、2012年に「再生可能エネルギー固定価格買取制度(以下、「FIT制度」)」がスタートしたことがきっかけです。FIT制度は、再生可能エネルギーで発電された電気を国が定めた価格で一定期間電力会社が買い取るように義務づけたもの。開始当時の買取価格が、「10kW未満:42円、買取期間10年。10kW以上:40円+税、買取期間20年」と非常に高かったため、多くの家庭や工場で急速に設置が進んでいきました。
その後、買取価格の低下により低迷してきたものの、環境負荷低減を目的に導入する需要は一定数あります。最近では、エネルギーコストの上昇に伴う電気代の高騰対策として、さらには2025年4月から東京都で義務付けられる太陽光発電設置に関する制度の開始などにより、再び注目を浴びています。

燃料電池とは、水素と酸素の化学反応で電気をつくる「発電装置」のこと。電池という名前がついていますが、乾電池や蓄電池のように電気を貯めておく装置ではありません。家庭用燃料電池は「エネファーム」と呼ばれており、LPガスや都市ガスから水素を改質し、燃料電池で発電、発電時の排熱を利用してお湯を作りだします。高効率でクリーン、静かなところが家庭用燃料電池の特長です。

イワタニは、太陽光発電・燃料電池ともに家庭用・業務用・工業用すべての業種で豊富な実績があります。さらに、太陽光発電・燃料電池の単独設置だけでなく、太陽光発電+蓄電池、太陽光発電+GHP(ガス空調)、太陽光発電+燃料電池など、お客さまのニーズに合わせて最適な提案を実施。「停電対策をしたい」「電気代を下げたい」「カーボンニュートラルを段階的に実現したい」など、さまざまなご要望にお応えしています。さらに、全国にLPガスネットワークがあるため、すべての都道府県で対応が可能。導入検討から補助金の紹介、施工、メンテナンスまでフルサポートできるのも、お客さまからご評価をいただくイワタニの強みです。

太陽光発電の特長

  • ・発電時にCO2を一切排出しない
  • ・低コスト化と高効率化により、再生可能エネルギーの中ではコストパフォーマンスが高い
  • ・蓄電池と組み合わせることで、電源の確保が可能となる

燃料電池の特長

  • ・発電時にCO2を一切排出しない。純水素型は使用時にも排出しない
  • ・停電対策となる。機種によっては瞬停対策も可能であり、設備の保持ができる
  • ・ベース電源とすることで、買電の削減につながる

当社の強み

  • ・家庭用・業務用・工業用すべての業種で豊富な実績
  • ・お客さまのニーズに合わせて、最適な組み合わせや機種、容量、仕様を提案
  • ・全国で導入検討から補助金の紹介、施工、メンテナンスまでフルサポート

脱炭素に取り組みは、実績豊富なイワタニにお任せください。

産業エネルギー部

TEL03-5405-5921

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導入事例:ポーライト株式会社

ポーライト様は、2017年2月、同社熊谷第二工場でブルームエナジー製燃料電池250kWを導入しました。燃料はLNG。これはブルームエナジー製の燃料電池では、世界で初めての試みでした。
さらに、2019年には熊谷第三工場で太陽光発電146kW、2021年には第一工場で太陽光発電66kWを設置。燃料電池や太陽光発電の導入を進めている理由や効果について、同社清水専務取締役にお伺いしました。

燃料電池を導入した理由は、電気のレジリエンスと日本市場への製品普及のため

ポーライト様は、粉末冶金法により焼結含油軸受や焼結機械部品などを製造しています。粉末冶金法は、金属粉末を金型に入れて押し固め、高温で焼結することにより、精度の高い部品を大量に生産できる工法。高温で焼結するために、電気炉を使用しています。

そのため、電気炉が停電で止まってしまうと、製造中の商品をすべて処分する必要があり、1千万円程度の損害が発生してしまっていました。また、ブルームエナジー製燃料電池のスタックのセパレーターを製造しており、日本市場向けにPRすることで、製品の普及につなげたいと考えていました。この2つの理由で、燃料電池導入の検討がスタートしました。

当初は都市ガスで検討していたものの、熊谷工場には都市ガス配管が敷設されていませんでした。工場までの都市ガス配管敷設費が膨大な金額となってしまったため、計画がとん挫。そのタイミングで、イワタニがLNG供給設備を設置する提案を実施。計画が再開。イワタニの提案内容で導入を進めて行くことになりました。
清水専務は、「実際に都市ガスで頓挫したときに、LNGにしようと提案してくれたのがイワタニ。イワタニの提案がなければ導入できなかった。イワタニの営業マンがさまざまな知識を持っていたことも決め手になりました。」と当時を振り返っていただきました。

その後、ブルームエナジー社との仕様検討や各種申請手続きなどさまざまな課題をクリア。補助金も採択され、2017年に燃料電池は稼働開始をしました。現在までに100社程度の企業や団体が見学に訪れ、日本市場向けにPRすることはできたものの、日本の普及には至りませんでした。しかし、世界での需要は高まっており、セパレーターの受注が増加。工場の設備を増強する計画をしています。

ブルームエナジー社製燃料電池 250kW
LNGや液化水素供給設備など

太陽光発電は特高回避と省エネ対策のため

ポーライト様は、電気炉を使用しているため契約電力が非常に高く、あと少し電気容量が増えると、特別高圧(以下、「特高」)の契約にしなければなりませんでした。その中で、第三工場の立ち上げが決定。電気の軽減策として、太陽光発電と燃料電池の検討を開始しました。

しかし、燃料電池はランニングコストの面から負担が大きく、導入を見送り。太陽光発電は、ランニングコストが安価であること、省エネ対策にもつながることから、導入が決定しました。工場のある埼玉県では、地球温暖化対策計画制度により、温室効果ガスの削減計画と結果を毎年提出する必要があることも、導入の後押しになりました。

太陽光発電の設置は、燃料電池の施工実績や提案内容が評価され、イワタニグループで施工が決定。2019年に第三工場で稼働を開始し、特高も無事に回避することができました。2021年には第一工場にも太陽光を設置。温室効果ガスの原単位削減に向けた取り組みを進めています。

第一工場の太陽光発電

ポーライト株式会社様のご紹介

ポーライト様は、国内や海外に拠点・工場を有し、グローバルに事業展開する総合粉末冶金メーカーです。自動車部品、家電製品、電動工具や各種冷却ファンをはじめ、エネルギー創造分野の部品製造を通じた環境配慮型の製品開発にも参画しています。
グループスローガン「世界に不可欠なポーライトになろう」を目標に、台湾、シンガポール、マレーシア、中国、アメリカ、インドに生産拠点、香港、フランス、アメリカに営業拠点を有し、世界中どこへでも高品質な製品をタイムリーに供給できる体制を構築しています。
お客様のご要望にお応えする技術力で持続可能な社会に寄与しつつ、脱炭素社会を目指す環境にやさしい企業の在り方を目指し、社会の成長に貢献する企業となるための努力を続けています。詳しくはポーライト様のホームページ(https://www.porite.co.jp/)をご参照ください。

お気軽にお問い合わせください。

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