イワタニレポート

低・脱炭素ソリューションの取り組み

2022/6/20

重油や灯油からLPガスやLNGへの燃料転換

岩谷産業では、これまで培ってきた事業基盤や技術力を生かし、幅広いフィールドでお客様に低・脱炭素ソリューションを提供しています。今月から連載でイワタニが提供している低・脱炭素ソリューションについてご紹介していきます。

LPガスやLNGへの燃料転換によるCO₂削減

CO₂排出量を大幅に削減するためには、CO₂排出量の少ないエネルギーへの転換が最適です。重油や灯油などの油燃料からLPガス(LPG)やLNGに燃料転換をすることで、CO₂排出量を15~30%程度削減することが可能となります。また、LPガスやLNGへの燃料転換は、CO₂排出量の削減だけでなく、省エネにもつながります。たとえば、蒸気ボイラを油焚きからガス焚きに更新することで機器の効率が良くなり、経年劣化分も加味すると5~10%程度の省エネが可能となります。

省エネやCO₂削減につながることから補助金の取得も可能であり、当社ではお客様のニーズに合った補助金の紹介や申請のサポートをおこなっています。また、お客様の燃料使用量・使用条件に基づき、最適な燃料や供給方式の提案を実施しており、各種燃料のコスト比較提案から施工、メンテナンス、ガス供給までワンストップで対応しています。そのような取り組みが、お客様にご好評をいただいており、全国で毎年100件程度の新規のお客様との取引が開始しています。

また、国のJークレジット制度を活用し、燃料転換などで削減したCO2排出量の価値化をする「Iwatani Jークレジットプロジェクト」を2022年1月から開始しました。これにより、お客さまに手間やコストをかけることなく、削減したCO2排出量を環境価値化でき、CO₂削減量に応じて当社のサービスをお客さまに還元しています。

LPガスバルクローリーと貯槽
LNGローリーとサテライト設備

燃料転換の特長

  • ・15~30%のCO₂削減が可能
  • ・5~10%の省エネが可能
  • ・CO₂削減や省エネにつながるため、補助金の取得が可能
  • ・燃料消費機器の環境改善、長寿命化が可能
  • ※ご使用条件により省エネ効果が得られないことや補助金が取得できない場合がございます。詳しい詳細やご質問はお問い合わせください。

岩谷産業の強み

  • ・提案から施工、メンテナンス、ガス供給までワンストップ対応
  • ・お客様のニーズに合った燃料や供給方式、補助金のご紹介が可能
  • ・Jークレジット制度を活用し、燃料転換で削減したCO₂排出量の価値化が可能

脱炭素に取り組みは、実績豊富なイワタニにお任せください。

産業エネルギー部

TEL03-5405-5921

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事例紹介:東京精溜工業株式会社 生野工場様

2022年1月に重油からLPガスに燃料転換された「東京精溜工業株式会社 生野工場」様の事例を紹介します。東京精溜工業様は、使用済溶剤の蒸留精製サービスや再生溶材の販売を行っているマテリアルリサイクル工場です。生野工場様では、使用済溶剤を蒸留する工程(溶剤分を蒸発させ、蒸発した気体を冷却して溶剤を回収し、不純物を濃縮する工程=マテリアルリサイクル)で蒸気を活用しており、油焚きの蒸気貫流ボイラを使用していました。

導入のきっかけは、ボイラの老朽化と重油の地下タンクの使用期限が迫っていたこと

東京精溜工業 生野工場様では、既存のボイラ3台のうち2台が設置から10年以上が経過していたことや、重油の地下タンクの使用期限が2035年までと迫っていることもあり、設備更新やエネルギーの見直しをご検討されるタイミングでもありました。
当初はLNGへの燃料転換を提案しましたが、工場が危険物取扱所となっているため、LNGサテライト設備への防火対策など設備設置に対する制約が厳しく、LNGの導入が難しい状況でした。そこから、LPガスへの燃料転換の提案を行い、設備更新やエネルギーの見直しのタイミング、環境面への配慮、補助金の取得が可能だったこともあり、本格的な検討を開始。SIIの補助金(先進的省エネルギー投資促進支援事業)の採択を受け、当社にご発注いただくこととなりました。

LPガスの大きなメリットは、管理がラクになったこと

LPガスに燃料転換して感じたことを工場長にお伺いしたところ、「管理面では、燃料の残量確認が不要になったことやオーダーの必要がなくなったことです。重油では、コストを下げるためローリー1車の荷卸し量を多くしていたため、予測オーダーなどを実施しており、非常に手間がかかっていました。LPガスは注文の必要がなく、使った分を納入してもらえるため、電気を使っている感覚で燃料が切れる心配がありません」とのコメントを頂きました。さらには、地下タンクの検査や環境測定が不要となったり、燃料荷卸し中の油汚れがなくなったり、クリーンエネルギーを使用し製品を生産することでお客様への印象も向上したこともメリットとしてあげていただきました。
また、ボイラ効率102%の蒸気貫流ボイラ3t×3台(1台は予備機)を導入したため、ボイラ効率が高く燃料消費量が減少。ボイラの排ガス温度を測定したところ、36℃だったので驚いたとのエピソードもご紹介いただきました。また、予備機を1台設置することで、生産に不可欠な蒸気を安定して供給できるようにもなりました。
次回のボイラ更新の際には、水素ボイラの設置にも意欲・興味を持っていただいており、水素サプライチェーンの構築へのご要望もいただきました。

設備仕様

更新前設備 重油の地下タンク、油焚き蒸気貫流ボイラ2t×3台
更新後設備 LPガスバルク貯槽×2基、ガス焚き蒸気貫流ボイラ3t×3台(1台は予備機)
CO₂削減量 230~400t-CO₂/年(2008年対比)
CO₂削減率 14~20%
適用補助金 先進的省エネルギー投資促進支援事業
LPガスバルク貯槽
蒸気貫流ボイラ

東京精溜工業株式会社様のご紹介

東京精溜工業様は、使用済溶剤の蒸留精製サービスや再生溶材の販売を行っているマテリアルリサイクル工場です。1956年東京都練馬に本社工場を設立、現在は本社を東京都渋谷へ移転し、八潮工場(埼玉県)、生野工場(兵庫県)の東西2拠点で使用済溶剤の処理、再生溶剤を製造しています。
使用済溶剤を蒸留することで、廃棄物から再び製品(再生溶剤)に生まれ変わっています。東京精溜工業様では、資源を採取、消費、廃棄している物質のフローを再確認し、蒸留後に発生する廃棄物は、焼却後にその灰をセメント原料に利用し、さらには、焼却により発生する排熱を利用し発電を行うなどさまざまなリサイクルに取り組んでいます。使用済溶剤のリサイクル事業を通して、社会に貢献する取り組みをおこなっています。詳しくは、東京精溜工業様のホームページ(http://tokyoseiryu.co.jp)をご参照ください。

東京精溜工業株式会社 生野工場様

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