イワタニレポート

水素エネルギー社会の実現に向けた取り組み

2021/11/29

水素の製造・輸送ネットワーク

当社は、1941年に水素の取り扱いを開始して以来、水素の大量輸送技術の開発や、ロケットへの液化水素の供給、国内初の商用水素ステーションの開所など、他社に先駆けて様々な取り組みを行ってきました。現在、当社は国内唯一の液化水素メーカーとして、千葉県市原市、大阪府堺市、山口県周南市の3拠点体制で全国への供給を行っています。
また、気体の水素を圧縮して高圧のガスとして供給する圧縮水素のプラントを全国に10拠点保有しており、液化水素と圧縮水素を合わせた外販用の水素市場でのシェアは70%となっております。今月のイワタニレポートでは、当社の水素製造拠点と輸送方法等についてご紹介いたします。

国内3拠点体制の液化水素製造プラント

当社では、2006年に大阪府堺市に関西電力株式会社と合弁で液化水素製造プラント「(株)ハイドロエッジ」を建設し、商用向けに液化水素の供給を開始いたしました。ハイドロエッジが完成するまでは、1978年に兵庫県尼崎市に建設した製造能力730L/hの液化水素プラントを稼働していましたが、このプラントはJAXAが打ち上げるロケットの燃料用として建設したもので、商用向けに建設した「(株)ハイドロエッジ」の稼働は当社の水素事業において大きな転換点となりました。
その後、2009年には千葉県市原市に、2013年には山口県周南市に建設し、国内3拠点(3,000L/h×6系列)の体制で、全国に安定供給しています。また、将来を見据え、第4のプラントを関東に建設する検討を進めています。

(株)ハイドロエッジ

岩谷瓦斯(株)千葉工場

山口リキッドハイドロジェン(株)

(株)ハイドロエッジ

(株)ハイドロエッジでは、LNGを原料に水蒸気改質することで水素を製造しています。

岩谷瓦斯(株)千葉工場、
山口リキッドハイドロジェン(株)

岩谷瓦斯(株)千葉工場、山口リキッドハイドロジェン(株)では、隣接する化学メーカーにて苛性ソーダ(NaOH)を製造する過程で発生する水素を精製して製造しています。

液化水素の輸送

コンテナ(液化水素:約40,000L以上)
ローリー(液化水素:約23,000L)

国内10拠点体制の圧縮水素製造プラント

圧縮水素は、千葉(2カ所)、名古屋、四日市、尼崎、堺、岡山、山口(2カ所)、佐賀の10カ所にて製造し、使用量に応じて様々な形態の容器で供給しています。一般的には15~20MPaで圧縮し、シリンダーやそれを束ねたカードルの状態で運搬・使用されています。また、大量に使用するお客様へは長尺のシリンダーを束ねたトレーラーで運搬し、トレーラー部分を構内に設置して供給する場合や、水素ホルダーに移し替えて使用いただいています。

水素供給マップ

圧縮水素の輸送

トレーラー(1車あたり積載量:1,100~3,100㎥)

カードル(1基あたり貯蔵量:70~300㎥)

シリンダー(1本あたり貯蔵量:7~10㎥)

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