中央研究所

研究・開発

最先端の分析機器や試験機器、実験環境を整え、大学・公的機関をはじめ、自動車・半導体・医療・食品など幅広い分野のお客様やパートナー企業との研究・開発を推進しています。

溶接関連

多角的な視点から
アプローチする溶接技術

溶接は代表的な金属加工の一つで、60種類以上の方法が存在するといわれています。
代表的な方法であるアーク溶接やレーザー溶接は、溶接機本体、溶接ワイヤ、シールドガスの組み合わせで接合部の品質が変化します。中央研究所では、この組み合わせで最適な溶接を提案し、お客様のさまざまなニーズにお応えしています。

シールドガス

溶接用シールドガスは、溶融金属と大気成分の結合(酸化、窒化)から保護するために用いられています。
シールドガス成分が溶接熱源に影響することを生かし、混合ガスの組成を調節することで生産性を向上させます。また、高純度なシールドガスを用いることにより、半導体・燃料電池の分野で必要とされる高品質溶接が可能となります。
溶接対象物の軽量化および継手形状が複雑化することにより、溶接機単独の性能で対応することは困難で、シールドガスの力が注目されています。当社ではオリジナルのシールドガスとして「シールドマスターシリーズ」を展開しています。

シールドガス
シールドマスター®

シールドガス

溶接機・ワイヤ

お客様のさまざまなニーズにお応えするために、軟鋼・ステンレス・アルミなど国内外溶接メーカーのワイヤ、最新鋭の溶接機、ロボットを取り揃え、各種シールドガスとの組み合わせで最適な溶接ソリューションをご提案しています。

溶接機・ワイヤ

半導体・電子部品関連

半導体・電子部品の製造を支えるガス技術

イワタニが独自に開発した半導体製造におけるクリーニングガス「ClF3」(三フッ化塩素)は、装置へのダメージが少ないノンプラズマクリーニング技術として、世界各国の半導体メーカーで採用されています。
また、これまで不可能とされていた50%以上の高濃度オゾンの製造・貯蔵技術や、半導体の高性能化に伴い需要拡大が見込まれる重水素ガスの製造技術を確立するなど、半導体・電子部品の製造に独自のガス技術で貢献しています。

ClF3ガスエッチング

ClF3によるエッチングは、基板に吹き付けるだけで加工ができるため、プラズマなどのダメージを受けずに微細加工することができます。プラズマプロセスで課題となっている電気的ダメージ、絶縁膜破壊、不純物汚染といった問題を克服することができるため、一般的に半導体デバイス加工に用いられているプラズマプロセスに代わる技術として期待されています。

ClF3 ガスエッチング

クラスターエッチングを施したウエハ断面

オゾンパッシベーション®

「オゾンパッシベーション®」とは当社オリジナルの表面処理技術で、室温で高濃度オゾンガスに曝露するだけで緻密な酸化不働態膜を形成する画期的な技術です。 室温でのガス処理であるため、溶接加工後の配管内部や微細加工された箇所にも有効です。耐食性の向上によって、メタルコンタミネーションの削減、パーツのメンテナンス頻度の改善に寄与します。

オゾンパッシベーション

重水素ガスの製造・開発

重水素ガスは産業用で広く使用されている水素ガスの安定同位体であり、エレクトロニクス、光ファイバー製造などに加えて、さまざまな分野の研究開発で利用されています。水素とは似て非なる特性を持つ重水素ガスの安定供給に向けた製造・分析技術を確立し、さらに、製造効率の向上に向けた研究を進めています。

重水素ガスの概要

製品荷姿 47L シームレス容器
内容量 7,000L
純度 99.995%以上
同位体濃縮度※ 99.8atom%以上

※同位体濃縮度:D/(D+H)(D:重水素ガス濃度、H:水素ガス濃度)

重水素ガス

再生医療関連

再生医療技術の産業化に向けた
技術・装置開発

これまで培った基盤分析技術と低温管理技術を活用し、細胞保管・輸送システムの普及拡大に取り組んでいます。
2020年4月に、大阪大学と共同で「細胞保管・輸送テクノロジー共同研究講座」を開設し、再生医療技術の産業化に向け、細胞の保管・輸送における技術・装置の開発を行っています。
2022年2月には中央研究所内にクリーンルームを設置し、細胞培養・凍結・保管・輸送といった細胞製造工場で行う一連の工程を再現・評価できる設備を備えました。

研究開発方針
研究開発方針

分析・品質評価関連

多分野の開発ニーズに応える
分析・実験環境

中央研究所の研究開発力の要は、最先端の実験・計測設備です。大型実験室や環境試験室、クリーンルームなどの多機能・多目的の実験環境と、ナノスケールの材料分析から超精密ガス分析まで、多分野における高精度の分析装置を整備。最先端の分析・実験環境で、次代を担う新技術の創出をサポートしています。

高度分析基盤技術

高い分析技術に裏付けられた環境計量証明事業所登録と ISO17025国際試験所認定を取得。ガスサプライヤーとして高純度ガス中の超微量不純物分析に迅速に対応しています。

高度分析基盤技術

品質評価

バイオマス発電向け燃料として販売している PKS(パームヤシ殻)の発熱量や不純物濃度を分析、評価しています。また、冷凍野菜や水産加工品、畜肉加工品に関してはビタミン含有量などの栄養価分析のほか残留農薬検査や微生物検査も実施し、食の安全に貢献しています。

品質管理