岩谷水素技術研究所

施設紹介

当社は水素のリーディングカンパニーとして1941年より水素に取り組み、さまざまな「日本初」の研究を重ね、大量輸送・大量貯蔵が可能な液化水素の新市場を開拓してきました。国内唯一の液化水素サプライヤーである当社の技術研究拠点として岩谷水素技術研究所は、‒253℃という極低温の液化水素や最大135MPaにまで昇圧した超高圧の水素ガスを扱うことができる国内では類を見ない試験環境を整備しています。これら高度な試験設備を活用して、水素に関わるさまざまな研究開発や、実用化に向けた技術検証を実施しています。

液化水素実験室

液化水素環境下での試験内容

熱サイクル試験
テストピースを「液化水素温度(-253℃)↔常温」の環境に繰り返し晒すことで、熱耐久試験を行います。豪州褐炭プロジェクトでの液化水素運搬船における液面の揺れによる影響の検証などが可能です。
液化水素浸漬試験
テストピースを長時間にわたって液化水素に浸漬し、劣化状況などの確認を行います。液化水素運搬船の計器など、長時間にわたり輸送・貯蔵する際の材料の評価が可能です。
液化水素流通試験
2つの液化水素貯槽間で水素を流通させ、バルブやフレキシブルホースなどの機器の動作確認・性能確認を行います。保安面からは実際の温度(-253℃)で検証試験を行うことが推奨されます。
  • 液化水素浸漬・熱サイクル試験装置

    液化水素浸漬・熱サイクル試験装置

  • 液化水素実験室

    液化水素実験室

  • コントロール室

    コントロール室

超高圧水素実験室

超高圧環境下での試験内容

インパルス(加圧脱圧繰り返し)試験
バルブやフレキシブルホースなどに対し、温度制御された高圧水素で加圧・脱圧を繰り返す試験です。水素ステーションの充填ホースのように加圧・脱圧が繰り返される条件で使用される部材の性能試験が可能です。
気密・透過試験
樹脂材料やシール材の水素透過やリークを調べるため、温度制御された高圧水素にて加圧する試験です。製品設計に不可欠な樹脂の水素透過量や継ぎ手のリーク測定など基礎データの収集が可能です。
水素曝露(遅れ割れ)試験
溶接材などのテストピースを、応力をかけた状態で高圧・極低温水素ガス雰囲気で長時間曝露し、歪みや割れを調べる試験です。応力化での金属疲労や溶接強度の評価が可能です。
水素脆弱性評価試験
高圧・低温の水素ガス雰囲気で低温低歪速度引張試験を行い、ヘリウム雰囲気と比較することで水素脆性の有無を確認します。水素脆性の原理は解明されておらず、さまざまな材料で試験を行うことで、安価な水素適合性材料の開発が期待できます。
  • 耐爆チャンバー

    耐爆チャンバー

  • 極低温高圧曝露試験装置

    極低温高圧曝露試験装置

  • 低温低歪速度引張試験機

    低温低歪速度引張試験機

  • 超高圧圧縮機_高段圧縮機

    超高圧圧縮機