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2000年11月29日(水曜日)

濃縮吸着法による世界初の「超高濃度オゾン連続発生装置」の商品化に成功
極薄シリコン酸化膜等の先端半導体デバイス開発研究・量産プロセス向け
広報・社会関連部

-「セミコンジャパン2000」に実機出展、来年4月からの発売を予定-
岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:牧野明次、資本金:200億円)は、このほど30〜80%という超高濃度オゾンの連続発生装置(「AP-800型」)の商品化に世界で初めて成功しました。12月6〜8日に開催される「セミコンジャパン2000」(会場:幕張メッセ)に実機を出展するとともに、極薄シリコン酸化膜等の先端半導体デバイス開発研究・量産プロセス向けに来年4月からの発売を予定しています。

現在、半導体集積化デバイスのさらなる微細化に向けての研究開発は、従来技術/手法及び材料の両面で壁にぶつかっており、ブレークスルー技術の出現が待望されています。今回、当社が商品化に成功したこの「超高濃度オゾン連続発生装置」は、"極薄(<2nm)シリコン酸化膜形成技術""高誘電体膜アニール""プロセス温度の低温化"などの技術的課題に対応するものとして大きな期待が寄せられています。

オゾンはフッ素に次ぐ強力な酸化力を持ち、金属や半導体の酸化膜形成や有機物の分解などいろいろな酸化プロセスに活用できます。しかも、最終生成物が酸素なので環境への影響がほとんど無いという特長があります。しかし、従来の酸素ガス/空気中で放電するオゾン発生法では濃度10%程度のものしか製造できず、高濃度を必要とする半導体デバイス製造プロセスなどへの応用はできませんでした。また、30%以上の高濃度オゾン(特に液体オゾン)は温度や圧力、紫外線、不純物などにより簡単に爆発する危険性があるため、その取り扱いには特別な注意が必要となります。

「超高濃度オゾン」の製造方法には、(1)液化した後、再気化する方法、(2)5〜10%程度の薄いオゾンを所定の吸着剤に吸着させ、酸素だけを選択的に脱離させて「濃縮オゾンガス(約100%)」を作る方法とがあります。当社では、2つの技術を「安全性」「信頼性」などを指標に比較検討した結果、後者の「濃縮吸着法」による超高濃度オゾンの連続発生装置の開発を進め、今回、「AP-800型」として商品化に成功したものです。
「AP-800型」の主な特長は次の通りです。

  1. 30〜80%まで目的に応じた自由な濃度の設定が可能です。
  2. 原料に高純度酸素(6N)を使用し、クリーン思想に基づく装置設計により、G bit世
    代対応の極めてクリーンな高純度オゾンを発生します。
  3. 独自設計のツインカラム方式により、毎分100ccまでの自由なオゾン流量の設定で24時間連続運転が可能です。
  4. 最新の冷却技術と小型真空断熱密閉容器により類のない、小型・コンパクトな省スペース設計を実現しています(700×1,700mm)。
  5. 豊富な「オゾン研究」実績と先進の制御技術の採用により、高い安全性を実現しています。

なお、超高濃度オゾン連続発生装置「AP-800型」の製造は、関係会社の岩谷瓦斯株式会社(本社:大阪市、社長:山崎武徳、年商:16億1,900万円)が担当します。

 【当社の高濃度オゾンに関する研究開発の経緯】
 当社の高濃度オゾンに関する研究開発は、'93〜'96年度の通産省研究補助による「高濃度オゾンを高効率かつ大量に製造、利用するための実用化研究」(川崎重工業・東京ガスとの3社共同プロジェクト)に始まります。
 その後、独自の研究を継続し、'97年12月には独自の濃縮技術による高濃度オゾン(70%)を利用して金属表面をパッシベーション(不働態化処理)することによって、耐食性能を飛躍的に向上させることのできる画期的な金属表面処理技術を開発しました。これを半導体製造工程に応用することにより、半導体デバイスの性能に大きな影響を与える金属配管などからの腐食生成物によるパーティクル(微細なゴミ)発生を著しく低減することが可能となったため、'98年12月からは半導体製造用ガス配管や製造設備を対象に、金属表面処理の受託加工を開始しました。
 こうして半導体メーカー各社と接触する中で、高濃度オゾンが半導体シリコン酸化膜の形成にも有効であることが分かってきました。そして'99年11月、通産省工業技術院電子技術総合研究所と共同で、当社の開発した高濃度オゾン(30%)を大気圧下で安定して発生、連続供給できる装置を使い、350℃という従来にない低温条件で、オゾンの強い酸化力を利用し、将来の半導体メモリなど超高密度メモリ素子の開発に不可欠な特徴を持つ、シリコン基板上の極薄シリコン酸化膜(厚さ2nm;1nmは百万分の一mm)の製作に成功しました。この成果は、次世代の超高密度メモリ素子製造に要求される技術的ブレークスルーへの展望を開くとともに、システムオンチップなど、高集積化・高機能化を目指したこれからの半導体デバイス製造における新しい酸化膜形成プロセスの開発に大きく貢献すると期待されるものです。
 こうした経過・背景を踏まえ、当社では「高濃度オゾン」を安定的かつ安全に製造・供給できる技術の確立を目指し、研究開発を続けてきたもので、今回の「超高濃度オゾン連続発生装置」の商品化はその成果の一つです。


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