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2018年テーマ
確実に大フライトを実現する機体作り

COCKPIT

『確実に』大フライトを実現するために必要なことは何なのか。考え抜いて達した結論はバランスの追求。フライトは自然環境やパイロットの操縦技術で大きな影響を受けます。どんな環境でも『確実に』結果を出すためには、未風でも強風でも力を発揮する機体。そして、パイロットにスタート直後の急降下や過度な操縦技術を求めない扱いやすい機体が重要なのです。このような点を踏まえ、今年はどんな環境でも飛ぶ「バランス」の良い機体を目指しました。そこで、特に工夫した点を3つご紹介します。

バランスの良い主翼取り付け位置

主翼は高い位置に取り付けると操作性が増しますが、その分、地面効果(機体が水面すれすれを飛ぶ際に受ける浮く力)は小さくなります。逆に低い位置に取り付けると、操作性は低下、地面効果が大きくなります。

クリーンエネルギーチームは過去に、高い位置の主翼で6回、低い位置の主翼で2回出場しています。今回はそれぞれの経験を踏まえ中間の位置に主翼を取り付けました。

コックピットの形状変更による空気抵抗の最小化と地面効果の最大化

パイロットの乗車位置を前方に移動することで、乗り込み易さや脱出性を損なうことなくコックピットの形状を薄くすることを可能にしました。これにより空気抵抗を小さくし、地面効果が大きくなる理想的なバランスを追及しました。

骨組み改良による剛性向上

新しい材料を使い主翼の骨組みを改良することで機体の剛性を高めました。これによりスタート直後の急降下や左右の方向転換において操作性が大幅に向上しています。

コックピットフレームができるまで

1. 構想、設計

イワタニの機体は、翼の下にパイロットが乗り込むベーシックな「高翼機」から始まり、直近2年は翼の上にパイロットが乗る「低翼機」に変更してきました。低翼機は主翼が水面に近づくことで翼の性能が上がる「地面効果」が大きくなります。

双方にメリット/デメリットあり
高翼・・・安定性○ /揚力△ /重量(軽量)○ /助走のし易さ○
低翼・・・安定性△ /揚力◎ /重量(軽量)△ /助走のし易さ△

今年は、「確実に、長距離を狙う」コンセプトの基で操縦がしやすく安定性も高い高翼機に戻しました。
ただし、過去2年の低翼機で、主翼を水面に近づけるメリットを確認できたことから、単に高翼機に戻すだけでなく、低翼機の製作経験で得た製作技術を基に上下に非常に低い形状とし、高翼機と低翼機の双方のメリットを生かすことを目指しています。これで、高翼機でも最大限の地面効果を得ることができ、正面から見た面積(前面投影面積)を減らすことで空気抵抗の削減も見込まれます。
パイロットが乗り込むために最小限の寸法としているので、製作ミスは許されません。

2.パーツの作成

溶接する部品を成形しています。
この後いよいよ溶接作業に入ります。

3.溶接

アルミフレームを丁寧に溶接していきます。
薄板のアルミ溶接は、溶接の中でも最も難しいといわれており、当社スタッフの腕の見せ所です。
ポイントは、均等、かつ空洞ができないようにすることです。
ウェルディングワイヤーという溶接材料を使って、溶接トーチから出るハイアルメイトというガスを活用し、
コックピットフレームを溶接していきます。

4.完成

完成したコックピットフレームは想像以上に美しく、メンバー一同大興奮!
機体の鳥籠となるこのコックピットフレームに、パイロットが乗り込み、“400m”を目指して飛び立ちます。