水素・LPガス
混合導管
供給実証研究

「脱炭素社会」の実現に向けてイワタニにしかできないこと。
国内初の水素・LPガス混合導管供給プロジェクトは、その一つだ。
燃焼しても水しか出ない「究極のクリーンエネルギー」水素を
LPガスと同一導管で家庭へ供給することで、CO2の削減を目指す。
学生時代からクリーンエネルギーに関心を持っていた赤木は、
同プロジェクトに開発担当として参加している。
2023年からの実証試験に向けて、調査は始まったばかり。
このプロジェクトの意義と、その先に広がる未来について語ってもらった。

赤木 雄哉 Yuya Akagi

2012年入社 岩谷水素技術研究所
クリーンエネルギー開発担当

開始時期・きっかけ

2021年12月にNEDO※の委託調査事業に採択されたことで始動した本プロジェクトは、2023年からの実証試験に向けて調査を開始したばかりです。私は学生時代に水素製造触媒に関する研究をしていたこともあり、もともと水素をはじめとしたクリーンなエネルギーに関心を持っていました。そうしたバックグラウンドを生かし、本プロジェクトにおいてはクリーンエネルギー開発担当として、「CO2削減」「カーボンニュートラル」の実現に向けた研究開発に取り組んでいます。
※国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

プロジェクトが目指すもの・ゴール

調査事業の最終的なゴールとしては、「LPガスへの水素の混合量・混合方法、ガス機器・ガス警報器などへの適合性の評価」「水素使用量・CO2削減効果の試算」「実証試験エリアの調査・候補地の決定」「実証試験・事業化に向けた各種申請や法規制の確認」などがあります。これらを踏まえて実証試験の計画を策定し、国内初となる水素・LPガス混合導管供給の実現に向けて取り組んでいます。

苦労や挫折の経験

水素・LPガスを混合した導管供給は国内初となるため、法規制・法対応に関する課題、需要家・地域住民の方々のご理解とご協力に関する課題があると考えています。また、実証試験に先立ち、水素・LPガスの2種および水素・LPガス・空気の3種混合技術、混合ガスの分離・拡散性、爆発特性などを学術的に検討し、さらに実験により検証する必要があります。これらの課題はありますが、本プロジェクトはイワタニのシーズ技術・蓄積技術で達成することができる、他社には真似のできない提案であり、経済産業省からも評価されています。

現在の取り組みや目標

近年は、「脱炭素」というキーワードがメディアなどでも多く取り上げられるようになりました。クリーンエネルギーへの関心が高まるのは良いことですが、具体的な施策を講じるにあたっては、技術的な難易度やコストなどクリアすべき課題が多くあるのが現状です。その中で、本プロジェクトは5年、10年というような長期の技術開発を必要としない、自社技術で達成することができる試みであるため、国内初の水素・LPガス混合導管供給実現というゴールに向けて着実に研究開発を進めていきたいと思います。

※社員所属部署と内容は取材当時のものです。