カリフォルニア州
水素エネルギー

2019年、米国・カリフォルニア州で4カ所の水素ステーションの運営を開始したイワタニ。
米国での水素ステーションの運営や事業普及を通じ、日本への輸出を見据えた
グリーン水素のサプライチェーンを構築するという壮大な事業である。
カーボンフリー社会実現への思いを胸に、渡米した一人の社員、黒澤 優斗。
どんな苦労があり、そしてどんなゴールをこのプロジェクトに見据えているのか、語ってもらった。

黒澤 優斗Yuto kurosawa

2009年入社 米国岩谷会社カリフォルニア支店

開始時期・きっかけ

米国は、元々メタンガスや排気ガス問題が多くある国。その中でもカリフォルニア州は環境に対する意識が高い州でした。そこでいかに製造工程を含めCO₂排出量が少ない水素を製造し、市場へ展開するか。当社は2019年に産業ガス大手より水素ステーションを4ヶ所買収し、日本企業で初めて米国内での水素ステーション運営を開始したのです。買収前から何度も渡米して買収の交渉や市場調査等をしてきた私は、買収成立直後の同年5月より米国に赴任し、様々なプロジェクトを始動してきました。

プロジェクトが目指すもの・ゴール

まず、最初に成し遂げたいゴールとしては、米国での水素事業の拡大です。その先にある長期的なゴールとして、グリーン水素サプライチェーンの拡大、日本での普及を見据えています。カナダを含めた数多くある再生可能エネルギー資源(水力、風力、太陽光、バイオガス等)を活用してグリーン水素を製造、日本へ輸出し、日本国内で普及させたい。そのために現在、米国で様々な企業と協議・検討して水素の製造・調達・物流といったサプライチェーンを構築し、よりクリーンな水素を安価にステーションへ供給するスキーム作りに従事しています。

苦労や挫折の経験

異国の企業・政府に対しては、言語以上にプロジェクトの進め方等、文化の違いを多く感じ、苦労しました。また水素ステーションのみならず、今後水素の製造や調達等にも注力していくため、より多くの投資が必要になります。そのため、色々なビジネスプランとリスク管理のパターンの検討は必須です。会計知識や情報処理能力、論理的思考、そしてストレス耐性も必要なスキルになるため、言語、会計、Excel等スキルを向上し続けることを大切にしていますね。

現在の取り組みや目標

自社での再生可能エネルギー由来であるグリーン水素のサプライチェーンを構築して、米国での水素事業の拡大が目標です。そのために、カリフォルニア州に有する自社の水素ステーションの運営も行いつつ、他社とのプロジェクトやカリフォルニア州政府の補助金プログラムなどを活用し、州内に新たな自社水素ステーションの建設を展開していきます。このような取り組みを着実に積み重ねて、真のカーボンフリー社会の実現を目指していきたいと思います。

※社員所属部署と内容は取材当時のものです。