顧客の要望を具現化するイワタニの食品事業
~信頼の積み重ねこそがビジネス発展のカギ~

近藤 昌教MASANORI KONDOU

自然産業本部 大阪食品部 部長
1994年入社

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創造創造

フェアなビジネスこそが長期的な関係を築ける

イワタニの食品ビジネスの歴史は古く、40年前に食品会社にLPガスを供給したことに端を発している。その後、他の商社に先んじて中国本土に進出し、仕入れソースとなる協力工場を開拓していった。
現在は“フレッシュアイ製法”という独自の加工技術を生かし“フーズランド”というブランドで冷凍食品事業を展開している。主なマーケットは外食チェーンや医療介護食、給食などの業務用食材事業だ。
イワタニの食品ビジネスの特徴を近藤はこのように語る。
「ただ仕入れて販売するだけではなく、我々はお客様のニーズを具現化するというところに重きを置くことで、非常に細かな要望にお応えしています」。
実際に顧客と協業して新しい商材を作り上げるケースも少なくない。今から13年前のある日、近藤の元にあるクライアントから依頼が入った。それは「スーパーの総菜コーナーに、目新しい商品を投入したい」という内容であった。
「具体的には肉類を中心とした従来のフライ商品ではなく、海鮮・野菜を盛り込んだ商品を製造して欲しいというものでした。商品コンセプトを具現化できる工場をユーザーと選定した結果、以前から繋がりがあるタイの食品工場が決まった。しかしそこは冷凍野菜のみを扱う加工工場であったため、肉や海鮮を扱うのは初めてでした。生産体制はもちろん、品質管理体制も一から構築する必要がありました」。
加工工場としては初となる試みであったため当惑することもあった。しかしイワタニは商社の中でもいち早く品質保証部門を設置していたので、連携を取りながらお客様が求める品質水準を維持できる体制を素早く構築することができた。
「最も苦労したのが価格設定の交渉でした。お客様も協力工場も、そして私たち3者すべてがWin-Win-Winの関係であるべきで何度も足を運んで理解していただきました。間に入る私たちとしては、どちらかが一方的に有利になるような条件設定は避けたくてフェアなビジネスこそが長期的かつ友好な関係性を維持できると考えたのです」。

信頼信頼

“食の安全を担保する”という責任を意識

近藤の努力が実を結び、新たな製造ラインと物流体制が整えられたことで日本への輸入がスムーズにスタートした。これまでにないタイプの総菜は消費者に歓迎され、クライアントの思惑通り、スーパーの総菜売り場の活性化が実現した。すべてが順調に推移していたと思った矢先、思いもよらぬ事件が起こった。
タイで鳥インフルエンザが発生したのだ。近藤が携わる加工品にも問題の鶏肉が使用されていたため、両国政府間の決定により、全ての供給がストップするという事態に発展してしまった。しかし近藤は冷静だった。
お客様のニーズを満たし続けることができるよう、商品規格の変更を行った。
これまでも多くのトラブルを経験し、乗り越えてきた自信とそこから得た教訓がある。
「食品を扱っている以上、鳥インフルエンザに限らず、BSEや農薬問題など、常にリスクと背中合わせであることは自覚していますし、何よりも大切なのは、いちはやく情報をキャッチして、食の安全を担保するということです。品質保証部と連携しながらリスクヘッジを行うことが、何よりも重要だと考えています」。
単に海外から食品を買い付けて終わりというビジネスではない。現地協力会社の体制を整え、互いにメリットある価格を設定し、デリバリーを整える。そこから先が更に重要な仕事であり、未来永劫に続いていく。
「このプロジェクトはイワタニの食品事業に新しい可能性をもたらしました。様々な食材を組み合わせ、加工品として輸入するというのは、かなりチャレンジングな行為でした。この取り組みが功を奏したことは社内でも注目され、お客様に対する提案の幅も広がり、確実に売り上げ向上にも寄与しています」。
このプロジェクトが成功した要因について近藤は、“信頼”をあげている。
「食品事業に携わる人間は必ず信頼を重視する。海外から購入するわけですから、直接会って話さなければ、なかなか信用は築けません。
13年前、上司が私のことを信用し、何度も現地に足を運ばせもらえたお陰で協力会社ともお客様との良好な関係を築けました。
そんな会社の懐の深さがあったからこそ新しいビジネスを創造し、成功させることが出来ました」。

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