水素社会の実現という使命のために
揺るぎない信念と緻密な戦略で水素社会の基盤を作り上げていく

佐野 雄一YUICHI SANO

産業ガス・機械事業本部 水素ガス部
1995年入社

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布石布石

新たなる動き

水素元年と呼ばれた2015年。日本初となる商用水素ステーションの建設をはじめ、水素に関するさまざまな国家プロジェクトが次々と動き出した。そんな中、イワタニは水素供給のリーディングカンパニーとして強い存在感を放っている。
佐野が水素ガス部に異動となったのは2010年。当時、イワタニは来るべき水素社会の実現に向けて、強みである液化水素の製造能力の増強と拡販に力を入れていた。その中で進められていたのが、国内3拠点目の液化水素製造プラント「山口リキッドハイドロジェン」の建設による液化水素製造能力の増強計画であった。それまで営業の最前線で水素を販売してきた佐野に課された課題は、新プラントで製造された液化水素を含む全国の水素の拡販戦略の立案及び物流体制の構築であった。
今でこそ燃料電池自動車の販売開始などにより、一般向けエネルギーとして認知されつつある水素だが、その用途の大半はさまざまな製造現場で用いられる産業用としてである。産業用の水素の拡販に向けて、まず佐野が着手したのは新プラントの競争力の向上であった。単なる生産力の向上という技術的な観点だけでなく、合弁先企業とどのように提携していくかに着目した。「プラント建設のコストを抑えながら安全性を確保し、合弁するパートナーと、互いにメリットが生じるよう契約内容を詰めていきました」と佐野は当時を振り返る。コストや安全性などの競争力を確保し拡販に向けた土台を整備した佐野は、次なる攻めの策を打っていく。

使命使命

水素社会の実現に向けて

水素を使用する場合、その使用量に応じて水素を貯蔵するためのタンクを設置する必要がある。実はこのタンクは設置費用が高く、使用量が少ない顧客に対してはメリットを提示しにくいという問題を抱えていた。佐野自身も営業の経験から顧客のそういった声を強く感じていた。そこで佐野が手掛けたのが設置費用のコストダウン。「社内の技術者や関連会社を巻き込んで、設備のコストダウンを実現し、売りやすい環境を整える事に注力しました」これも顧客との間で濃密な接点を持つ営業経験者ならではの着眼点だった。
この取り組みにより、結果的に液化水素のユーザーを格段に増やす事に成功したのだった。
「イワタニは営業マンの自由度が高い。お客さま目線で社内に提案すると、意見が通りやすいという風土があります。市場の声を感じて、問題に対する解決策を提案していく。これが当社の特徴ともいえます」。
このような佐野の取り組みもあり、現在の産業用液化水素の販売は順調に推移している。そして近年は、「水素ステーション」に代表されるエネルギー用途としての水素の販売も手掛けている。2014年にトヨタ自動車が世界初となる燃料電池自動車の販売を開始。イワタニも同年、日本初となる商用水素ステーションを兵庫県の尼崎にオープンした。その後も佐野を中心とする水素ガス部のメンバーなどの活躍により、2年間で次々と新しいステーションが全国に誕生している。
「水素ステーションの採算性は燃料電池自動車が普及していかない限り厳しいのが現状です。しかし、クリーンエネルギー社会の実現のため水素を広く普及させていく必要があります。それは“世の中に必要な人間となれ。世の中に必要なものこそ栄える”と言う企業理念に基づいた信念であり、自分に与えられた使命とも言えます」。
“水素”というクリーンなエネルギーが当たり前のように使用される世界が目の前にある。水素に関わる多くの人間の夢や想いをカタチにし、世の中に届ける“キーマン”として、佐野は今日も、水素の可能性と向き合いながら前に進んでいる。

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