岩谷産業株式会社
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2001年12月03日(月曜日)

世界で初めて、施工済み配管の半導体製造用のガス管や関連製造設備を現場で常温・常圧の高濃度オゾンで金属表面処理する「出前処理」完成

岩谷産業株式会社
 
<「セミコンジャパン2001」で公開、本格受注活動開始>
 
岩谷産業株式会社(本社:東京・大阪、社長:牧野明次、資本金:200億円)は、世界で初めて、半導体製造工場対象に、高濃度オゾンを活用した金属表面処理用システム一式と技術者をラインに派遣し、オゾンパッシベーション処理(ガス配管内などの耐腐食性向上処理)を施す専門組織「出前処理」(デリバリーサービス)体制を完成しました。
この「出前処理」は、従来、当社専用工場において受注加工して施していたものを、すでに施工済みのガス配管や関連製造設備を製造現場で常温・常圧の高濃度オゾンを利用してステンレスやアルミニウムなどの金属表面に、不働態化処理(ガス配管内などの耐腐食性向上処理)=オゾンパッシべーション処理を施すものです。
この「出前処理」を12月5日から開催の「セミコンジャパン2001」で公開後、本格的な受注活動に入ります。
従来、半導体製造用ガス配管や製造設備の金属表面処理は、顧客企業が設備した後一端分解して専門工場に持ち込み施す方式です。当社も1998年12月より、独自の濃縮技術によって得られた高濃度オゾンを利用した金属表面処理の受託加工をしてきました。
 
半導体超LSIデバイス製造は、今後ますます微細化の方向にあり、デザインルール0.1μの現在では歩留まり低下や品質低下の原因となるメタルパーティクルの低減が急務wとされています。
その対策として、発塵の少ない部品を使用していますが、配管途中や半導体製造内部、
発塵量が最も多いといわれている溶接部や曲げ部、大気と接触する部分については腐食によるメタルパーティクル問題は全く解決されていないのが実状です。
 
当社がこのほど開発した「可般式小型高濃度オゾン発生装置」を半導体製造工場内に持ち込み、配管ラインに直接繋ぎ込み、高濃度のオゾンガスを封入するだけであらゆる部分に対し不働態皮膜を形成することができます。
この「出前処理」の大きな特長は、高濃度オゾンの取扱いが常温・常圧下で行うため、煩雑な前処理の必要がなく、安全性が確保されていることです。
また、この「出前処理」は、半導体分野に限らず食品、医薬、化粧品、化学工場など、腐食性ガスを使用する業界など市場の拡大が期待されています。
なお、実際の「出前処理」は、関係会社の岩谷瓦斯株式会社(本社:大阪市、社長:
山崎武徳、資本金:16億1,900万円)が担当します。
 
当社独自の濃縮技術によって得られた高濃度オゾンを利用した全く新しい発想から開発された金属表面処理技術(WINSUT;Winner's Surface Treatment Technologies)による金属表面処理法、パッシベーションの原理を簡単に説明します。
通常、ステンレス表面は2nm程度の薄い酸化膜で覆われていますが、高濃度オゾンで表面処理すると酸化膜の厚みが10nm程度にまで増加します。このメカニズムは、オゾン分子がステンレス表面の自然酸化膜に吸着し、酸素分子と酸素ラジカルに分解し、この酸素ラジカルが金属分子と結びつき安定な酸化膜が形成されることで酸化膜が成長するからです。こうした酸化膜成長による緻密な酸化膜の形成が、耐食性向上と発生オゾンの分解抑制の方向に寄与します。
 
(1)耐食性向上についての寄与
半導体製造業界においては、集積度1ギガビット時代に向けてデバイスの高集積化が進むにつれ、要求されるデザインルール(線幅)もアンダー0.1μmと急速に微細化し、粒径0.01μmのパーティクルをコントロールすることが必要と言われています。
これまで、当社のようなようなガス・サプライヤーは、半導体製造に使用されるガスの高純度化や供給設備のクリーン化で、こうした要求に答えてきました(当社は3年前から受託加工体制に入る)。しかし、半導体製造工程で使用される腐食性ガスによって配管を含むガス供給ライン、ならびに半導体製造設備材料から金属腐食生成物が剥離し、パーティクルが発生することは避けられません。そのため、こうした材料の耐食性の向上はこれからのデバイスの高集積化には不可欠な要素となっています。
当社が開発したWINSUTで、しかも施工配管済みの現場で高濃度オゾン処理を施した配管では、CIF3やF2混合ガスの場合、処理しないものに比べ、金属溶出量が1/10に、0.01μレベルのパーティクル発生が1/10に激減します。
 
(2)オゾン分解抑制についての寄与
半導体製造工場では、もともと最高 20wt.%の低濃度オゾンをアニーリング(なまし)やアッシャー(灰化)のプロセスで使っていますが、オゾンは極めて不安定で分解しやすいため、ガス配管を通じて供給する途中で分解が進み、ユースポイントではさらに低いオゾン濃度しか得られないという問題を抱えていました。
これに対し、WINSUTで高濃度オゾン処理を施すと、緻密な酸化膜が発生オゾンの分解を抑制し、当社の実験では、常温域では発生オゾンの分解はほぼ無視できるレベルに抑えられます。
 
従来当社では、高濃度オゾンガスの取扱い上の安全性から、顧客企業の工場に一度設備された後、分解して当社工場に持ち込みパッシベーション処理を施し、工場に持ち帰り、再度組み立て施工する方式でした。しかし、組み立て時の発塵などを完全に防御できない難点がありました。
このたびの「出前処理」方式の完成で、半導体業界の最大の課題解消に役立ち、製造コストの大幅な削減に寄与できることが期待できます。
(通常一般に行われているのは加熱処理方式です。この方式は加熱炉の大きさにより処理対象物が限定されるとともに、対象物全体を均一に処理することが困難でした。さらに、処理後に溶接工程が入るとその効力は失われてしまいます)。
「出前処理」のベースとなる「高濃度オゾン」は、当社が独自に昨年末に開発、今年4月から発売している濃縮吸着法による世界初の超高濃度オゾン連続発生装置「AP-800型」によって作ります。
「超高濃度オゾン」の製造方法には、1)液化した後、再気化する方法、2)5〜10%程度の薄いオゾンを所定の吸着材に吸着させ、酸素だけを選択的に脱離させて「濃縮オゾンガス(約100%)」を作る方法とがあります。当社では、この2つの技術を「安全性」「信頼性」などを指標に比較検討した結果、後者の「濃縮吸着法」による超高濃度オゾンの連続発生装置の商品化に成功し発売しています。
 

 


「AP-800型」の主な特長
1) 30〜80%まで目的に応じた自由な濃度の設定が可能です。
2) 原料に高純度酸素(6N)を使用し、クリーン思想に基づく装置設計により、Gbit世代対応の極めてクリーンな高純度オゾンを発生します。
3) 独自設計のツインカラム方式により、毎分100ccまでの自由なオゾン流量の設定で24時間連続運転が可能です。
4) 最新の冷却技術と小型真空断熱密閉容器により類のない、小型・コンパクトな省スペース設計を実現しています(700×1,700mm)。
5) 豊富な「オゾン研究」実績と先進の制御技術の採用により、高い安全性を実現しています。
 
 
 
 
 


なお、当社では、半導体事業分野だけに限らず食品、医薬、化粧品、化学工場など、腐食性ガスを使用する業種全般、また溶出金属汚染をシビアに管理している業種全般などへの拡大を期待しています。

 

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