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2009年05月12日(火曜日)

カーボンニュートラルである“バイオマス”を活用し、CO2を削減
木質系バイオマスからのDMEの合成に成功
自動車用燃料への応用、LPガスとの混焼など可能性が広がる新エネルギー

岩谷産業株式会社

 

岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:牧野明次、資本金:200億円)は、独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究で、木質系バイオマス※1由来のDME※2の合成に成功しました。本研究のバイオマスDMEは、二酸化炭素の増減に影響を与えない(カーボンニュートラル※3)という“バイオマスの特性”とDMEの“クリーン性”が特徴のエネルギーであり、自動車燃料への応用、LPガスとの混焼などが期待されます。また、今後、今研究成果のような自国産バイオ燃料が広く普及すれば、エネルギー資源の多くを海外に依存する日本にとって、エネルギー安全保障上でも大きな意義を持ちます。まだ生産コスト等の課題はあるものの、環境負荷低減・CO2の排出削減やエネルギー資源の多様化につながる新エネルギーとして、木質系バイオマス由来のDMEは大きな可能性を持っています。

 

【小規模生産事業モデルとしての可能性】

今回、成功したDMEの合成プロセスは、研究レベルからスケールアップした装置を用い、1MPa未満の条件で木材をガス化したものからDMEを高効率で得られるものです(木材ガス化ガス1Nm3からDME75g以上の収率)。本研究では、実際に120gのDMEサンプルを得ることに成功しました。

1MPa未満の条件下での、木質系バイオマスからのDME合成はこれが初めてです。これまでの10年間、日本でのバイオガス燃料の研究は大規模・大量生産をベースとした合成ガスの製造の域を出ませんでした。世界を見ても同じ状況であり、小規模プラントの研究がなされて来なかった経緯があります。

1MPa未満の条件下でのバイオマスDME合成プロセスは、高圧ガス保安法の適用範囲除外となり、いろいろな可能性を模索することができます。例えば、木質系・草本系原料確保が容易なエリア間を移動して小規模に生産したバイオマスDMEを、需要の見込まれるエリアで消費するといった、規模にとらわれることなく機動性を活かした事業モデル、バイオ燃料の地産地消事業モデルへも発展し得る画期的な研究成果が今回のバイオマスDME合成プロセスです。

 

※1:バイオマス燃料とは、生物体を構成している有機物を固体・液体・気体などの燃料へと再生利用する燃料のことで、「生物から作られたエネルギー」と言えます。現在は、トウモロコシ等食糧と競合する原料を用いるものが主流。今回の研究成果は、穀物(主食)と競合しない木質系及び草本系等を原料とする“第2世代”のバイオ燃料にあたります。 

※2:DME(CH3OCH3:ジメチルエーテル)は、LPガス(液化石油ガス)と似た性質を持っており、天然ガス、石炭、重質油、バイオマス等から生産が可能というマルチソースであることと、民生用/工業用LPガスの補完、ディーゼル代替等が可能というマルチユースであることが特徴の合成ガスです。

※3:カーボンニュートラルとは、ライフサイクルの中で二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロのことを指します。植物の成長過程での光合成による二酸化炭素の吸収量と、植物の焼却による二酸化炭素の排出量が相殺され、実際に大気中の二酸化炭素の増減に影響を与えないとの考え方です。

 

【自動車燃料、家庭用エネルギーへの応用を】

今回の成果を踏まえ、今後、当社は以下の2点を継続研究してまいります。

①自動車燃料へのバイオマスDMEの応用

②家庭用などLPガスとの混焼

生物由来であって再生利用可能なエネルギーであるバイオマス燃料の利用はカーボンニュートラルとされ、CO2排出削減対策の1つとして世界的に取組みが進められています。

また、DMEは成分中に硫黄を含まず、黒煙、粒子状物質(PM)を発生せず、また太陽光下でも容易に分解されるため、温室効果ガスとならないクリーンエネルギーとして注目されています。

これらの点から、当社参画のDME自動車普及推進委員会※4では、生成したバイオマスDMEによるDME自動車の実証走行を検討しています。また、将来危惧される石油枯渇問題も考慮すると、バイオマスDMEをLPガスと混焼させる、家庭用などエネルギーとしての使用が広がれば、これら諸問題緩和に寄与することが期待されます。

 

※4:DME自動車の実用化を目指し、DME自動車に関わる、燃料・プラント・部品・インフラ・車両開発などの任意の民間企業が集まって結成された委員会。基礎研究から実機制作まで取り組んでいます。

 

2009年度より改正される代替エネルギー法では、LPガス業界にも非化石エネルギーの導入が強く求められています。今回のバイオマスDME合成の成功は、新エネルギーとしてDMEへの取り組みを続けてきた当社にとって、非化石エネルギーの有効活用を実践する基礎を持つことができたものと捉えています。カーボンニュートラルなバイオマスの特性を活かしてのCO2排出削減、石油依存度の低減などに寄与し、また、粒子状物質(PM)なども排出しないクリーンなエネルギーとして研究開発をさらに深め、実用化へ向けて力を注いでまいります。

 

  

原料のユーカリチップ                  合成したバイオマスDME

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