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山口県周南市に中国エリア初の商用水素ステーションが完成
国内初、FCフォークリフト用の充填設備を併設

 

岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:野村雅男、資本金:200億円)は、水素社会の早期実現に向けて商用水素ステーションの整備に取り組んでおりますが、このたび、中国エリア初となる「イワタニ水素ステーション 山口周南」が完成し、本日開所式を行いました。当社はこれまでに、兵庫県尼崎市、福岡県北九州市、東京都港区、埼玉県戸田市、愛知県豊田市に水素ステーションを開所しており、今回の開所で6ヵ所目となります。

 

四大都市圏以外で初の水素ステーションが完成
山口県は臨海部を中心に多くの化学メーカーが存在し、潜在的な水素供給能力が高いことから、同県では、化学メーカーから発生する水素をエネルギーとして地産地消するべく純水素型燃料電池の開発を、県の研究開発補助金により支援するなど、これまでさまざまな取り組みを行っております。周南市での水素ステーションの建設は、これらの活動の一環として山口県より当社に建設に関する相談をいただいたことがきっかけです。当社は山口県周南市に株式会社トクヤマとの合弁による液化水素製造プラント「山口リキッドハイドロジェン」を有しており、山口県の活動に賛同するとともに、供給面で地の利を生かせると判断しステーション建設を決定いたしました。

 

純水素型燃料電池を活用し周南市地方卸売市場内へ電源も供給
同ステーションは周南市地方卸売市場の敷地内に建てられており、同市場で実証が予定されているFC(燃料電池)フォークリフトへの水素供給も行える設備になっております。FCフォークリフトは燃料電池自動車の半分となる35MPaの圧力で充填を行うため、敷地内には70MPa用と35MPa用の2種類のディスペンサーを有しており、同じ敷地内で一般車両とフォークリフトの両方に充填できるステーションは国内初となります。
また、周南市では水素ステーションから同市場に設置される純水素型燃料電池への配管工事を行い、市場内の電源の一部を賄う予定にしております。

 


 「イワタニ水素ステーション 山口周南」の概要

名  称 イワタニ水素ステーション 山口周南
所 在 地 山口県周南市鼓海1-324-18
敷地面積 1,259.7㎡(381.06坪)
水素供給 液化水素オフサイト供給
供給能力 燃料電池自動車:340N m3/h
(1時間当たりFCV6台の満充填が可能であり、35MPaディスペンサーでFCフォークリフトへの充填も可能)
充填圧力 燃料電池自動車用:70MPa(メガパスカル)(約700気圧)
FCフォークリフト用:35MPa(約350気圧)
設備構成 液化水素貯槽、ドイツ・Linde社製水素圧縮機、蓄圧設備、ディスペンサーなど

 

 

 

「純水素型燃料電池システム」の概要

燃  料 純水素 ※1
発電出力 700W
発電効率 55%(LHV)※2
排熱回収効率 40%(LHV)※2
起動時間 1分以内 ※2
※1 : 都市ガスやLPガスなどの改質により水素を得るのではなく、初めから純水素を供給する燃料電池システムのこと
※2 : 2015年度目標値