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工業ガス業界・ガス関連商社で初!「国際試験所規格」ISO 17025を取得
~滋賀技術センターが“国際的に通用する試験所”として認定~

 

岩谷産業株式会社

 

岩谷産業株式会社(本社:大阪・東京、社長:牧野明次、資本金200億円)は、この程、研究開発拠点である滋賀技術センターにおいて、高品質で信頼度の高い分析・試験ができる試験所・機関に与えられる国際規格ISO 17025の認定を取得しました。
工業ガス業界、商社では初めてとなる認定取得で、同センターでは2009年度にも環境分析における証明書を発行できる「環境計量証明事業所」を登録しており、今回のISO 17025認定と併せて、質の高い分析・試験サービスを提供できる体制を強化しました。

 

【ISO 17025取得の意義・・・社会的信用度が極めて高い分析報告書であることの証明】

欧州の化学物質規制(RoHS指令、REACH規制など)を背景に、日本のものづくり現場でも、原料レベルでさらに厳密性が求められており、今後、試験所・研究所の役割がますます重要なものになってきます。このISO 17025は国際的にも通用する一流の試験所であると同時に、試験所が発行する試験結果報告書や分析報告書に「認定ロゴマーク」を付記することで報告書自体の社会的信用度が上がるとともに、その権威が示されます。
さらに、ISO 17025に裏付けられた信用度の高い技術センターを有していることで、社内でガス&エネルギーをはじめとする取扱製品・サービスにおいて、新規顧客開拓やニーズにかなった顧客対応ができるなどのメリットをもたらします。

 

【ISO 17025とは・・・試験所を試験する。品質システムのみならず、試験所の能力を認定】

ISO 17025は国際的な試験所認定制度で、審査認定機関(国内では独立行政法人 製品評価技術基盤機構など)により特定の分析・試験に関する実施能力を審査され、認定を受けるシステムです。メーカーが、自社製品の品質を保証する品質マネジメントシステムISO 9001と似て異なるもので、組織全体の製造・設計・サービスにおける品質システムを認証するISO 9001に対して、ISO 17025は品質システムだけでなく、その商品自体(この場合、試験所・事業所が行う試験・分析能力)を認定するものです。

 

【ISO 17025は、国内でわずか380社あまりの取得】

ISO 17025は企業単位ではなく、企業の部署または事業所ごとに与えられるため、1社で複数の部署・事業所でそれぞれの認定範囲で取得しているケースもあります。日本国内でISO 17025認定を取得しているのは、現在380社(機関)あまり。そのうち1/3は公的機関が占めており、ISO9001や14001に比べ、民間企業の認定取得数は極めて少ないのが現状です。
さらに、民間企業の半分は分析を生業としている企業のため、一般的なメーカーはもとより当社のような業態の企業が取得しているケースは稀です。たとえば、横浜市水道局(水質課)、(財)日本食品分析センターなどの公的機関をはじめ、分析サービス会社、食品、電気機器・部品メーカーの研究所や品質保証部門などの民間企業が取得していますが、エネルギー・ガス関連企業や商社で取得している企業はありません。

 

【当社のISO 17025認定範囲は、高純度ガス分析】

ISO 17025は、JISなどの公定法に基づき、正確な試験・分析ができることを認定するもので、試験法ごとに認定が求められます。当社は、まずエレクトロニクス分野などに提供する高純度ガスに焦点を当て、高純度ガス中の微量不純物成分の分析技術に関してISO 17025の認定を取得。ガス分析に対するISO 17025の取得は日本初です。

 

【取得概要】

 取得内容 :ISO /IEC 17025 試験所認定
 認定機関 :財団法人 日本適合性認定協会(JAB)
 取得年月日:2011年2月15日
 認定番号 :RTL03250
 認定範囲 :化学試験 製品別分析試験
        JIS K 0225「希釈ガス及びゼロガス中の微量成分測定方法」
                           7.1 一酸化炭素濃度の測定(ガスクロマトグラフを用いる方法)
                                   0.05ppm ≦ 一酸化炭素 ≦ 2.90ppm
               8.1 二酸化炭素濃度の測定(ガスクロマトグラフを用いる方法)
                                       0.05ppm ≦ 二酸化炭素 ≦ 3.00ppm 
                           9  メタン濃度の測定(準用:精製方法の変更)
                                       0.05ppm ≦ メタン ≦ 1.00ppm

 

【今後、不純物成分として、水分や酸素分野に認定範囲を拡大していきます】

今後は認定を維持していくとともに、新たにJIS規格に沿った分析法や自社で定めた分析法により、不純物成分として水分や酸素を加え、高純度ガス分析に関する認定範囲を広げていく方針です。また、高純度ガスだけでなく当社の根幹事業であるLPガスに関連する「液化石油ガス(LPガス)中の硫黄分析法」などの認定取得も実現していきます。
同センターでは、ISO 17025認定に先立ち、2009年度に滋賀県より環境計量証明事業所の登録認可を受けています。工場排水中の重金属や農薬成分などの有害成分を分析し、その分析値が真実であることを公に証明書を付けて公表できる資格です。

 

このように同センターでは、環境計量証明事業所登録とISO 17025認定を実現させましたが、あくまで分析サービスの質を向上させ顧客満足度を高めることが目的であり、分析サービスの事業化は検討中です。また、ISO 17025、環境計量証明事業 ともに、厳密には分析項目の申請・登録範囲は限られているため、品質管理システムをすべての試験・分析に対して準拠させることで、同センターから発信するデータの信用度を高めてまいります。