水素エネルギーハンドブック第6版
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23Q&A燃料電池編Q&A燃料電池自動車編Q&A家庭用燃料電池編Q&A水素エネルギーの基礎知識編Q2AQ3A現在、家庭用燃料電池はLPガスや都市ガスなど既存のインフラを活用し、これらを改質して得られる純度約75%の水素を燃料にして発電しています。家庭用燃料電池は、この改質器と燃料電池本体がパッケージになっており、発電しながらお湯も沸かすコージェネレーション・システムで「エネファーム」といわれています。一方、FCVは、純水素を燃料としてタンクに積載して発電します。高い出力を得るためには、燃料電池の燃料は純水素が理想。定置式でも純水素型燃料電池コージェネシステムが開発され、オフィス・店舗などに直接、水素を供給して発電や給湯を行っています。水素と酸素で発電する燃料電池の心臓部になるのが、「電解質」という部分です。燃料電池はフィルム状の薄い電解質の両側を白金(プラチナ)などの触媒を薄く塗布した一対の電極(水素を受ける燃料極と、酸素を受ける空気極)でサンドイッチしたもの。このワンセットを「セル」といいます。セルをセパレーターで区切りながら何層にも積み重ねた「セルスタック」が、燃料電池の基本構造になっています。燃料電池は、電解質の材質によって、固体高分子型、りん酸型、アルカリ型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型の5つに分類されますが、今、自動車や家庭用に使われているのは主に固体高分子型燃料電池です。空気水素水素水空気空気極燃料極電極+ガス拡散層セパレーター電解質膜〈燃料電池セルの仕組み〉〈燃料電池スタック〉「電解質」の両側を電極でサンドイッチしたセルを、何層にも積み重ねてできています。燃料電池はどんな構造なの? いろいろな種類があるの?家庭用燃料電池は化石燃料の改質で得た水素で、自動車は純水素で発電します。自動車用の燃料電池と家庭用燃料電池は同じもの?

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