水素エネルギーハンドブック第6版
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12圧縮精製液化圧縮精製液化山口リキッドハイドロジェン岩谷瓦斯千葉工場液化水素圧縮水素液化水素改質+精製圧縮水素液化水素液化窒素液化酸素液化アルゴンLNG熱交換+精留天然ガス戻し天然ガス受入LNG受入(冷熱利用)LNGタンクイワタニの液化水素生産(2つの方式・3つの拠点)いよいよ水素の大量消費時代へ―液化水素のアドバンテージを高めます水素エネルギー社会への鍵は「液化水素」にある―イワタニは水素のクリーンエネルギーとしての可能性にいち早く着目すると同時に、大量輸送・大量貯蔵が可能な液化水素のパイオニアとして、その新市場を開拓してきました。現在も、国内で唯一の液化水素製造メーカーであり続けています。液化水素のメリットは圧縮水素ガス(トレーラー)の約12倍の量を一度に輸送でき、かつ高純度であること。これにより輸送コストを抑制しつつ大量供給を実現、また半導体や液晶など精密分野の高品質ニーズにもお応えしてきました。2006年に設立した「ハイドロエッジ」(大阪府堺市)では、液化水素プラントに空気分離ガスプラントを併設。LNG(液化天然ガス)の冷熱により空気から窒素・酸素・アルゴンを分離し、さらに生成された液化窒素の冷熱を活用して、天然ガス改質により得た水素を液化しています。2009年に稼働した「岩谷瓦斯千葉工場」、2013年に稼働した「山口リキッドハイドロジェン」は、いずれも食塩電解により生成させた原料水素を圧縮・精製・液化するプラントです。2017年末には、山口リキッドハイドロジェンの製造能力を2倍に増強。また2020年にはハイドロエッジに新たな1ラインを増設。これにより大阪・千葉・山口の3拠点による液化水素製造能力は年間約1.2億㎥となりました。FCVだけでなく、水素による電力の貯蔵、水素発電、純水素燃料電池による発電や給湯など、ロードマップが描く水素の大量消費時代が、間もなく訪れようとしているいま。再生可能エネルギーからの水素製造や、海外からのCO2フリー水素大量輸送など、水素の新しいステージを、液化水素のアドバンテージによって切り拓いていこうとしています。液化水素製造拠点

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