水素エネルギーハンドブック第6版
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10岩谷産業中央研究所は、「GAS & ENERGY」をベースに多様な事業を展開してきた当社が、明日を担う要素技術をお客さまとともに築き上げるために、2013年に開設した総合技術研究所です。社会から求められるニーズを探る「情報力」と、さまざまな問題を解決する「技術力」。商社でありメーカーでもある企業としてその両者を身に着けてきたDNAを生かし、大学、公的機関、行政、多様な企業などとコラボレーションしながら、これからの社会に貢献できる新しいテクノロジーやイノベーションを、ここから日々生み出しています。水素に関わる研究開発や技術検証も、中央研究所の重要な役割のひとつ。水素ステーションやFCVなど、水素のアプリケーションを安全かつ合理的に社会に広めていくための規格づくりや評価試験、材料試験などの研究・実証を積み重ねてきました。2014年7月には、敷地内に国内初の商用水素ステーション「イワタニ水素ステーション 尼崎」をオープン。商用ステーションの円滑な運営や水素の品質分析手法など、ここで蓄積された現実的なノウハウが、全国の水素ステーションの建設・運営に生かされています。2018年8月には、水素研究設備のリニューアルを行い、135MPaの超高圧・ー253℃の極低温を扱うほかに類をみない試験研究設備を整え、さまざまな水素関連技術における要求スペックの高度化や、スピーディーな製品開発・改善に対応できる体制を構築。2020年代後半までの水素ステーション事業の自立化、国際的な水素サプライチェーンの2030年ごろの商用化など、水素基本戦略に基づいて水素システムが次々に社会実装されていきます。今後、ますます大きな使命と役割を果たすべく、研究機能と体制の拡充を図っていきます。岩谷産業中央研究所水素の研究開発から、明日の市場開拓まで―技術のブレークスルーを独自の発想で切り開きます世界トップレベルの液化水素・超高圧水素ガスの実験環境を整え、水素の先進的な個別技術の研究・開発を行っています。

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