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水素循環圧縮機液化窒素貯槽原料水素1818〈水素製造システム〉フラッシュタンク〈断熱膨張とは?〉▼圧縮→分子の動きが速くなる→熱くなる▼膨張→分子の動きが遅くなる→冷える(断熱膨張)圧縮圧縮膨張膨張跳ね返った分子は速くなる跳ね返った分子は速くなる跳ね返った分子は遅くなる跳ね返った分子は遅くなるLN2LH2液化水素貯槽水素充填圧縮機−196℃室温(25℃)N2膨張タービン熱交換器液化機膨張弁液化水素ローリー液化水素水素トレーラー圧縮水素−253℃ピピピピピピスススススストトトトトトンンンンンンをををををを押押押押押押すすすすすすピピピピスススストトトトンンンンをををを引引引引くくくく自転車の空気入れでタイヤに空気を入れると、空気入れの下のほうが熱くなります。これは空気が圧縮されたために起こる現象で、圧縮するエネルギーが熱に変わったのです。これとは逆に空気が一気に開放されて膨張すると、圧縮されていたエネルギーを失い、空気の温度が下がります。この現象を「断熱膨張」による冷却といいます。水素ガスの液化も基本的な原理はこの「断熱膨張」の応用です。予め圧縮された循環水素は液化窒素との熱交換によって-190℃近くにまで予冷され、これを膨張タービンという機械で膨張させてさらに温度を下げます。圧縮と膨張を繰り返すことによって、液化機内部の循環水素の温度は沸点(-253℃)近くまで下げられます。原料となる水素は、常温のまま圧縮され、液化機を通して熱交換で冷却された後、膨張弁を通して一気に液化されます。工業的にはもっと複雑な工程ですが、この「断熱膨張」が基本原理となります。水素が地球上に単体(水素分子=H2)の状態で存在することはほとんどありません。火山の噴気や天然ガス中にわずかな水素が含まれることはありますが、大量に水素ガスが産出した例はありません。それなのに無尽蔵のエネルギーといわれるのは、水や他の元素との化合物の形で地球上に大量に存在するからです。水は水素と酸素との化合物なので、水を電気分解すれば水素が得られます。また、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料は炭素と水素を主成分とする化合物なので、適切な方法で化石燃料を分解すれば、水素を得ることができます。これはつまり、「水や各種の化合物から、さまざまな方法で水素を取り出すことができる」ということ。水素が無尽蔵のエネルギーといわれるゆえんです。Q6Q7水や化石燃料など、さまざまな化合物の形で無尽蔵に存在する資源です。「断熱膨張」による冷却が基本原理です。液化水素はどうやってつくられているの?水素は無尽蔵にあるって本当?水素エネルギーの基礎知識編

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