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1515〈水素のさまざまな用途〉水素は地球上には単体(水素分子=H2)の状態ではほとんど存在せず、他の元素との化合物の形で存在しているため、工場で水素を取り出してから、さまざまな用途で使用されています。今は発電エネルギーとして注目が集まっていますが、もともと水素は隠れた万能選手。その強い還元力を発揮して、多くの産業分野で活躍しています。石油コンビナートでは原油に水素を吹き込んで硫黄分を取り除くことで精製を行い、石油化学分野ではプラスチックなど樹脂生成の添加剤として、製鉄所ではステンレス鋼などの表面をピカピカにする光輝焼鈍用の添加剤として、水素が大量に利用されています。半導体ウエハー、液晶パネル、光ファイバーなどの製造には、高純度の水素が不可欠です。身近なところでは口紅などの油脂を固める添加剤としても水素が活躍しています。こうした水素の利用は、多くが自家製造・自家消費。石油化学プラントや製鉄所では、自社で付随的に発生する水素を自家使用しています。国内で販売される水素は年間約1.2万トンですが、自家消費分を合算した日本の水素市場は200万トン程度になるとみられます。水素は多くの産業用途で利用家庭用燃料電池FCバスFCV水素発電所将来需要が期待される水素のエネルギー利用石油精製・石油化学アンモニアガラス・光ファイバー製鉄所製造金属冶金ロケット燃料©JAXA半導体太陽光パネル電子部品Q3水素用途の広がり燃料電池だけでなく、石油・化学・金属・ガラス・食品まで、あらゆる工業用途に使われています。水素はどんなところで使われているの?

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